当院が特に力を入れて取り組んでいる治療である非特異性腰痛(non-specific low back pain)は、
腰部の痛みのうち明確な病因が特定できないものを指します。
この痛みは急性または慢性的なものであり、一般的に
・腰の筋肉
・靭帯
・神経
・椎間板
・腰椎の関節
などあるいはこれらの組み合わせに起因すると考えられています。
非特異性腰痛は、一般的に人口の80%以上に影響を与え多く日常生活に影響を与えております。
本論文では「非特異性腰痛」についての症状、病態、および治療法について詳しく説明します。

【症状と病態】

非特異性腰痛は、腰の痛み、痛みの強度の増加、痛みの位置の変化、および日常活動の制限などの症状を引き起こすことがあります。
痛みの強度は、軽度から非常に強いものまで幅広く、痛みはしばしば、腰椎の運動によって悪化することがあります。
痛みは通常、仰向けまたは横向きで抑えられ腰部に圧力をかけることで軽減することができます。
さらに痛みは通常、1〜4週間で自然に回復しますがその場合にはリハビリテーション(運動療法)による治療が必要です。

非特異性腰痛は腰椎の神経根や神経幹、筋肉、靭帯、および椎間板に直接的な原因がある場合もあれば
外傷や骨折のような特定の原因がある場合もあります。
しかし、多くの場合は痛みの原因は明確に特定できず非特異的であることがあります。
病理学的には痛みの原因は、腰椎周辺の筋肉、神経、骨、および軟組織に存在する「炎症反応」によるものとされています。

【効果的な治療法】

非特異性腰痛の治療については多くの方法があります。
症状の程度に応じて自宅でのセルフケア、薬物療法、理学療法、手技療法、あるいは手術が必要な場合もあります。

自宅でのセルフケアは非特異性腰痛の軽度な症状に対して有効な方法です。
運動、ストレッチ、および腰部のアイシングなどの方法が含まれます。
また、適切な寝具を使用することや日常動作を改善し腰部への過度の圧力を避けることも重要です。

薬物療法は、非特異性腰痛の症状を軽減するために広く使用されています。
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)やアセトアミノフェンなどの鎮痛剤が使用されます。
痛みや炎症が強い場合にはより強力な鎮痛剤や筋弛緩剤が必要な場合もあるようです。

運動療法は非特異性腰痛の治療に非常に効果的であり特にリハビリテーションが必要な場合には推奨されます。
当院では
・腰椎の筋肉を強化し柔軟性を改善するためのエクササイズ
・痛みを軽減するためのマッサージ施術
・姿勢の改善に重点を置いたトレーニング
を高いエビデンスのもと提供します。

手技療法は、非特異性腰痛の治療によく使用される方法の1つであり、筋肉、靭帯、および椎間板の問題を解消することができます。
当院で取り入れている手技療法には
・鍼治療
・カイロプラクティック
・オステオパシー
・骨盤矯正
などが含まれます。
手術は、非特異性腰痛の重度な症状が持続する場合に考慮されるべきですが
特異性腰椎である神経根圧迫、椎間板ヘルニア、または脊椎の変形などの
明確な原因がある場合には手術は必要となることがあります。

【まとめ】

非特異性腰痛は、多くの国民に影響する非常に一般的かつ大切な問題です。
この痛みの原因は多様な要因によって引き起こされる可能性がありますが
特に加齢、過度の身体活動、姿勢の悪さ、過剰なストレスなどが重要なリスク因子です。
非特異性腰痛の診断には適切な既往歴や身体検査、または必要に応じて画像検査が必要となることがあります。
その後の治療は症状の程度に応じて多岐にわたり自宅でのセルフケアから、薬物療法、理学療法、手技療法、あるいは手術までが含まれます。
自宅でのセルフケアや薬物療法は軽度の症状に対して有効ですが、重度の症状やリハビリが必要な場合には理学療法や手技療法が推奨されます。
手術は、症状が重度で原因が明確な場合に限られるべきです。
非特異性腰痛の治療には個々の患者の症状に合わせたカスタマイズされたアプローチが必要であり
症状の程度や原因に基づいて適切な治療方法が選択されるべきです。
また症状を軽減するための予防措置として適切な姿勢や身体活動、ストレスの管理、および定期的な運動などの
習慣を身につけることが重要です。

非特異性腰痛は生涯にわたって多くの人々に影響する可能性があり日常生活に重大な影響を与えることがあります。
しかし適切な治療や予防策を講じることで症状を軽減することができます。
当院は非特異性腰痛検査に充分な時間をかけて予防、治療法をご提案します。
是非一度ご提案ください。