月経時のトレーニングに関しては、様々な研究が行われており、その効果や安全性については個人差があることが示されています。
以下に、論文ベースのエビデンスに基づいた情報を提供します。

月経周期と運動パフォーマンス

  1. 月経周期の影響
    • 月経周期の異なるフェーズは、女性の身体に様々な影響を及ぼします。
      特に、黄体期(月経周期の後半)には体温がわずかに上昇し、
      一部の女性では運動パフォーマンスに影響を与える可能性があります(Janse de Jonge, X. A. K., 2003)。
  2. 月経期間中の運動
    • 月経期間中の軽度から中程度の運動は、PMS(月経前症候群)の症状の緩和に効果があるとされています(Prior & Vigna, 1987)。
      また、定期的な運動は月経痛の軽減にも寄与する可能性があります。

運動強度とタイプ

  1. 運動強度
    • 軽度から中程度の運動は月経時においても安全とされています。
      ただし、高強度の運動や長時間のトレーニングは、
      特に運動に慣れていない女性や月経痛がひどい場合には避けた方が良い場合があります。
  2. 運動タイプ
    • ストレッチング、ヨガ、ピラティスなどの軽度の運動は、
      月経期間中の身体的不快感を和らげるのに役立つ可能性があります。
      また、有酸素運動も気分の向上や月経痛の緩和に寄与するとされています。

個人差の考慮

  • 月経時の運動に対する反応は個人差が大きいため、自身の身体のサインに注意を払い、
    無理をせず適切な運動量を見極めることが重要です。
    一部の女性は月経期間中に運動能力が低下すると感じることがある一方で、他の女性は特に影響を感じないこともあります。

結論

月経時のトレーニングは、適切に行われる場合、身体に様々な利益をもたらす可能性があります。
特に、月経痛の緩和や気分の向上に寄与することが示されています。
ただし、運動の強度やタイプは個人の身体の状態や好みによって異なりますので、
自分自身に合った方法を見つけることが大切です。
また、不安がある場合や月経痛が重い場合は、医療専門家に相談することをお勧めします。

参考文献

  • Janse de Jonge, X. A. K. (2003). Effects of the menstrual cycle on exercise performance. Sports Medicine, 33(11), 833-851.
  • Prior, J. C., & Vigna, Y. M. (1987). Conditioning exercise decreases premenstrual symptoms